
【Geethanjali Malli Vachindi】 (2024 : Telugu)
題名の意味 : 帰って来たギーターンジャリ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー・コメディー
公 開 日 : 4月11日(木)
上映時間 : 2時間24分
監督 : Shiva Turlapati
音楽 : Pravin Lakkaraju
撮影 : Sujatha Siddhartha
出演 : Anjali, Srinivasa Reddy, Satya, Rahul Madhav, Sunil, Ali, P. Ravi Shankar, Satyam Rajesh, Shakalaka Shankar, Srikanth Iyengar, Rao Ramesh, Dil Raju, 他
《 プロット 》
(パート1のあらすじはこちら。)
とある会社で女性社員が男性上司にレイプされそうになるが、不思議な力がその上司を殺害する。男性社員変死を受けて、霊能師が呼ばれる。霊能師はオフィス内に取り憑いていた女の幽霊を人形に封じ込め、人里離れた山奥に埋める。ところが、その土地が開発のために掘り起こされ、人形も都会へと舞い戻ることになり、ある少女に拾われる。
ヴァイザーグに暮らすアヤーン(Satya)は映画スターになりたくて、友人で映画監督のシュリーヌ(Srinivasa Reddy)を頼って、ハイダラーバードにやって来る。シュリーヌはデビュー作の「Geethanjali」がヒットしたものの、続く3作がフロップで、もう監督業をやめようかと思っていた。ところが、ゴーヴィンダ(Srikanth Iyengar)という男から電話がかかってき、ウーティ在住の実業家ヴィシュヌ(Rahul Madhav)が映画を作ろうとしており、監督にシュリーヌを使いたがっていると伝える。シュリーヌは主役にアヤーンを使うという条件で、引き受ける。
腹話術師のウェンカタラーウ(Ali)はウーティのテルグ人協会から招待され、同地へ向かう途中で少女から人形を買う。彼はその人形をスッブと名付ける。
アンジャリ(ウシャーンジャリ:Anjali)はウーティでカフェを営んでいたが、あまり儲かっておらず、閉店の危機にあった。
さて、ウーティに到着した監督シュリーヌと製作スタッフのアートレーヤ(Satyam Rajesh)、アールドラ(Shakalaka Shankar)、及び主役のアヤーンは、早速ヴィシュヌに会う。ヴィシュヌは彼らにストーリーを話し、撮影地として丘の上に立つサンギートマハルを使うことを指定する。製作チームはサンギートマハルを下見するが、それは今はもう使われていない荒廃した屋敷だった。実はここはかつて古典音楽の師匠シャーストリ(P. Ravi Shankar)とその妻、及びパワーニとモーヒニという二人の娘が暮らしていた屋敷だった。ある日、パワーニが恋人と駆け落ちし、屋敷を去る。その後、モーヒニも恋人との駆け落ちを企てたところをシャーストリが阻止する。それでモーヒニは焼身自殺し、その火事でシャーストリと妻も焼死するという事件が起きていた。2012年8月8日のことだった。その後、この屋敷は買い取られ、ゲストハウスとして利用されるが、毎年8月8日になると、宿泊客の若いカップルが変死するという事件が起き、村人からはシャーストリの幽霊の仕業だと信じられるようになった。それをその後ヴィシュヌが映画撮影のために買い取ったというわけだった。だが、製作チームはそんな経緯を全く聞かされていなかった。
ウェンカタラーウはウーティのテルグ人協会のイベントで、買ったばかりのスッブを使ってショーを開始するが、人形は自分はスッブじゃない、ギーターンジャリだと自ら話しだし、イベントの主催者らを茶化す。激怒したウェンカタラーウは人形を何度も廃棄しようとするが、その度に舞い戻って来る。人形が妹のアンジャリ(ウシャーンジャリ)に会いたがっていたため、ウェンカタラーウは仕方なくアンジャリを捜す。
映画製作チームはヒロイン選びに苦労していた。そこへヴィシュヌがヒロインにピッタリの女性を見つけた、それはアンジャリというカフェ経営者で、ぜひ彼女を使えと指定してくる。実はシュリーヌたちとアンジャリは旧知の仲だった。
ヒロインも決まり、撮影監督のキラー・ナーニ(Sunil)も加わり、サンギートマハルでの撮影が始まる。だが、まさにその夜から、シュリーヌたちは屋敷内に幽霊を見るようになる。恐怖に駆られたシュリーヌたちはヴィシュヌに撮影地の変更を訴えるが、ヴィシュヌは契約で決まったことだから、変更するなら違約金の3千万ルピーが発生すると脅す。やむなくシュリーヌたちは他のスタッフや出演者を騙し騙し撮影を続ける。
しかし、ヴィシュヌがここまでサンギートマハルで撮影し、アンジャリをヒロインに使いたがったのには、訳があった、、。
《 コメント 》
・【Geethanjali】(14)のパート2。パート1から実に10年の時を経ているのであるが、主要登場人物の皆さん(いや、大したやつはいないのだが)もご健在で、ずっと南インド映画を見守ってきた私としては、うれしい限りである。
・本作は、パート1の製作時から続編として企画されていたものなのか、それとも最近の「シリーズ物」のトレンドを受けて、パート2の製作を思い立ったのか、それは知らない。しかし、確実に言えそうなのは、本作は【Geethanjali】のパート2である以上に、主演女優アンジャリの50本目記念作品という、祝賀映画として企画されたものだろうということ。映画の冒頭とエンドロールでアンジャリに対するオマージュが出てくる。
・アンジャリと言えば、【Angaadi Theru】(10)で見て以来、14年のお付き合いだ。DVDで【Kattradhu Thamizh】(07)と【Honganasu】(08)も観ているので、17年前の彼女から見ていることになる。そのアンジャリももう37歳か。大女優というわけでもなかったが、南インド4言語で堅実に息の長い活動をし、今もって可愛い。今、彼女のフィルモグラフィーを再見して、目頭が熱くなった。
(写真下: クライマックスでは今日もパワフルなアンジャリだった。)

・アンジャリだけでなく、本作には最近コメディアンとしてはあまり見かけないスニールとアリーも出ていて、これも私的に感涙ポイントだった(どうせならブラフミーも出てほしかったが)。
(写真下: 中央下より時計回りにアンジャリ、シャカラカ・シャンカル、スニール、サティヤ、サティヤム・ラージェーシュ、アリー、シュリーニワーサ・レッディ。)

・さて、肝心の映画のほうだが、はっきり言って面白くなかった。ホラー・コメディーと謳いながら、全然怖くないし、コメディー面でもあまり笑えなかった。しかし、私的にそれは問題ない。何せアンジャリを見に行ったのだから。ただ、10年前の【Geethanjali】をリアルタイムで観ておらず、アンジャリにも特に思い入れのない最近の若い人たちが観たら、退屈なだけの映画と見えただろう。
・このパート2はストーリー的にもパート1と繋がっている。なので、もし観るなら、パート1も何らかの形で視聴しておいたほうがいい(というか、パート1を観ていない人はこのパート2には用がないと思う)。監督は代わっているが、脚本を書いたのはコーナ・ウェンカトで同じ。映画の始めのほうでパート1がフラッシュバック的に流され、それも懐かしかった。
・パート1では、死亡したギーターンジャリが幽霊となって復讐を遂げ、成仏したものと思っていたら、10年後もまだ霊としてこの世をさまよい、レイプ警察みたいなことをやっていた。メッセージというほどのものでもないが、10年前も今も同じくレイプをテーマとしてホラーコメディーが作れるとは、インドは反レイプという面ではいささかも進歩していないようだ。
・アンジャリ以外の登場人物では、サティヤ(アヤーン役)が出番が多く、張り切っていた。

・そしてこのお方も、幽霊だが、完璧にお笑いだった。

・テルグホラーならこの人、と言いたいハルシャヴァルダン・ラーネーもパート1に続いて登場するかと期待したが、回想シーンで背中が0.3秒ほど映っただけだった。
・有名プロデューサーのディル・ラージュが本人役で顔を出している(パート1でも出ていた)。
《 オマケのひと言 》
・映画中の監督シュリーヌが、屋敷を徘徊しているのが本当の幽霊だと知りつつ、他の俳優・スタッフをごまかすために「彼らはメソッドアーチストだよ」と言うところが面白かった。まさかメソッドアーチスト(たぶんメソッドアクターのこと)が出てくるとは。
◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★☆☆☆☆
《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 4月13日(土),公開第1週目
・映画館 : PVR (Global Mall),10:00のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・英語字幕 : なし
《 参考ページ 》
・https://en.wikipedia.org/wiki/Geethanjali_Malli_Vachindi
・https://www.imdb.com/title/tt29277833/
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