【O2】 (Kannada)

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【O2】 (2024 : Kannada)
題名の意味 : (薬品の名前)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー
公 開 日 : 4月19日(金)
上映時間 : 1時間49分

監督 : Raghav Nayak, Prashanth Raj
音楽 : Vivan Radhakrishna
撮影 : Naveen Kumar S
出演 : Ashika Ranganath, Raghav Nayak, Praveen Tej, Prakash Belawadi, K.S. Sridhar, Puneeth B.A, Siri Ravikumar, Gopalkrishna Deshpande, Aruna Balraj, Sharanya, Suma Rao, Sharvari, 他

《 プロット 》
 シュラッダー(Ashika Ranganath)は若いながら非常に優秀な医師。専門は麻酔学だが、彼女は今「O2」という試薬を使ったプロジェクトを進めていた。それは心肺の停止した患者に「O2」薬を投与し、脳死までの時間を延長させ、蘇生治療を行うというものだった。このプロジェクトにヴェンキー(Puneeth B.A)、スルシュティ(Siri Ravikumar)、そしてデーヴ(Praveen Tej)という3人の医師が加わる。しかし、シュラッダーの上司のローイ(K.S. Sridhar)やムルトゥンジャヤ(Prakash Belawadi)は「O2」プロジェクトに懐疑的で、中止を勧告する。ムルトゥンジャヤはシュラッダーがマンガルールの医科大で学んでいたときの教官で、患者の治療法を巡って激しく意見が対立したことがあった。それでムルトゥンジャヤはシュラッダーに敵愾心を抱いていた。そのせいか、彼女の「O2」プロジェクトは倫理委員会の審査で却下される。しかし、それでめげるシュラッダーたちではなかった。プロジェクトチームは空き家を研究ルームとし、密かにプロジェクトを続ける。
 ところで、シュラッダーにはマンガルール時代から想いを寄せる男性がいた。それはオショー(Raghav Nayak)という名のラジオジョッキーで、ある日、病人を病院に担ぎ込んだときに、シュラッダーの見事な治療を見、彼女にひと目惚れしていた。オショーはミュージシャンになるためにアメリカのバークレーに留学する予定だったが、それを蹴って、シュラッダーにプロポーズする。しかしシュラッダーはそのプロポーズを受け入れることができなかった。彼女はそれを悔いることになるが、今さらどうにもできず、ただ彼のラジオ番組を聴いて慰めとしていた。
 さて、アンナ(Sharanya)という17歳の女性が心肺停止となる。シュラッダーらは密かにアンナを研究ルームに運び込み、「O2」治療を施すが、実験は失敗に終わり、アンナは死亡する。だが後に、失敗は「O2」の過剰投与が原因だと分かる。その次にオームカールという交通事故で心肺停止になった患者が現れ、「O2」治療を施す。今回は上手く行き、患者は蘇生するが、その時、研究ルームの電気系統がショートし、火事になる。シュラッダーらは無事に逃げるが、部屋から出られなかった患者は焼死し、デーヴも煙の吸い過ぎで昏睡状態となる。シュラッダーはデーヴに「O2」治療を施そうとするが、ローイやムルトゥンジャヤに激しく反対される。と、その時、奇跡的にデーヴが覚醒する。
 デーヴは回復するが、記憶を失っており、全く別人格のようになっていた。シュラッダーは今回の事故でマスコミからも追及され、また規律委員会でプロジェクトを中止しなければ、医師の資格停止、または逮捕投獄になると警告される。シュラッダーらはオームカールへの「O2」治療が確かに成功したという証拠のために防犯カメラの映像を得ようとするが、そのハードディスクはすでにムルトゥンジャヤに持ち去られた後だった。八方塞がりになったシュラッダーは、自分の体を用いて、「O2」治療が成功することを証明しようとする、、。

・他の登場人物 : シュラッダーの父ナーヤク(Gopalkrishna Deshpande),少女時代のシュラッダー(Sharvari),オームカールの母(Aruna Balraj)

《 コメント 》
・なかなか面白かった。監督はラーガヴ・ナーヤクとプラシャーント・ラージというお若い二人で、先日紹介した【Blink】のように、若い才能が何かやってやろうという気概を感じる映画だった。ちなみに、ラーガヴ・ナーヤクは主要登場人物のオショー役で出演もしている。

・面白いと言うより、風変わりな映画と言ったほうが適切かな。「メディカル・スリラー」という触れ込みだったので、そんなものを予想しながら見ていたら、実はファンタジー味の強い内容で、一風変わったラブストーリーでもある。

・私が評価したいのは、主人公を女性(女医)にし、それをアーシカー・ランガナートに演じさせたこと。アーシカーはカンナダ生え抜きの女優で、もっと上で活躍できるだろうという私の期待とは裏腹に、まあまあなところで落ち着いているキャリアだが、本作は彼女の代表作の一つになるだろう。

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・そのアーシカーの演じる女医のシュラッダーは、幼いころに母も父も亡くし、「なぜ人は死ななければならないの?」という疑問をずっと抱いたまま大人になり、女医として「O2」という薬品を使った延命治療の研究に携わる。その彼女の強い信念の前に、生憎と医療技術(科学)と倫理の問題、ヒトの生死の尊厳という問題が立ちはだかり、映画中でも議論が闘わされる(ヒトの霊魂は21グラム!という説も飛び出す)。

・この辺は緊張感があって面白かったのだが、物語が終盤へと進むにつれ、ファンタジー的(空想的)な要素が強くなり、知的な緊張感が緩んでしまったのが残念だった(評価を3つ星のしたのはそのせい)。ただ、カンナダの一般的な大衆にはこの展開のほうがウケるだろう。

・シュラッダーとオショーのロマンス展開もかなり野暮ったくて(カンナダ映画っぽくて)、作品のレベルを落としているように見えた。私は残念に感じたが、これもカンナダの大衆にはいいのかも。

・というわけで、意外に保守的な香りの強い本作だが、ちょっと新しさを感じたのは、主要登場人物がブラックコーヒーを飲むという点。これはオショーからシュラッダーに、そしてシュラッダーからデーヴに伝搬する嗜好。

・上に記したように、オショーを演じたのは監督の一人でもあるラーガヴ・ナーヤク。ちょっと男前だが、顔が濃ゆいこと、濃ゆいこと。

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・デーヴ役はプラヴィーン・テージ。相変わらずイケボでハンサムでもあるが、今回もこのレベルの脇役に甘んじている。そんなことでいいのか?(重要な役ではあるが。)

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【Swathi Mutthina Male Haniye】(23)でプレーラナー役を印象的に演じていたシリ・ラヴィクマールも女医スルシュティ役で出演している。こういう知的な役が似合うようだ。

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・少女期のシュラッダー役でちらっと登場していたのは人気子役のシャールワリちゃん。日本で一般公開予定の【777 Charlie】にも出演している。顔立ちがアーシカー・ランガナートと似ていて、これはナイスなキャスティング。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

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《 オマケのひと言 》
・シュラッダーらの研究ルームは使われなくなっていた家を改装したもので、ドアが閉まると開かなくなる、だからドアが完全に閉まらないようにペットボトルをドアに挟むとか、雷雨になると電気がショートするとか、インドあるある、だった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 5月4日(土),公開第3週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arcade Mall),13:30のショー
・満席率 : 2割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・英語字幕 : あり

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/O2_(2024_film)
https://www.imdb.com/title/tt15427934/

 

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