【Bhairathi Ranagal】 (Kannada)

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【Bhairathi Ranagal】 (2024 : Kannada)
題名の意味 : (主人公の名前)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 11月15日(金)
上映時間 : 2時間14分

監督 : Narthan
音楽 : Ravi Basrur
撮影 : I. Naveen Kumar
出演 : Shiva Rajkumar, Rukmini Vasanth, Rahul Bose, Chaya Singh, Gopal Krishna Deshpande, Avinash, Madhu Guruswamy, Babu Hirannaiah, Shabeer Kallarakkal, Devaraj, 他

《 プロット 》
 (【Mufti】の前日譚。こちら参照。)
 1985年。ローナープラは深刻な水不足に陥っている村だった。まだ少年だったバイラティ・ラナガルは村役場へ行き、水問題に関する嘆願書を配るが、誰一人として相手にしてくれる役人はいなかった。憤ったバイラティ少年は役場に爆弾を仕掛け、爆破する。当然、彼は投獄される。だが、バイラティは獄中で法律を勉強し、学位を取得する。
 21年後、出所したバイラティ・ラナガル(Shiva Rajkumar)は実家に戻り、両親や妹ヴェーダワティ(Chaya Singh)と暮らす。彼は早速法律事務所を開き、村人の様々な問題を解決する。公立病院で医師をしているヴィシャーリ(Rukmini Vasanth)はそんなバイラティに敬意と好意を抱くようになる。
 ある日、バイラティの事務所にワラダ(Gopal Krishna Deshpande)という男がやって来る。彼はこの村にある巨大な製鉄会社の労働者だった。実はバイラティが獄にいる間に、水にさえ苦しむ貧しいローナープラに鉄鉱石の鉱脈が発見され、一躍大企業の注目の的になっていたのである。この鉄鉱石採掘・製鉄会社はパランデ(Rahul Bose)という大実業家が所有していたが、2千人の労働者は人権も顧みられず、労働条件も劣悪だった。それでワラダは労働組合を結成しようとしていたが、パランデの腹心のカンドレ(Avinash)とガッタ(Shabeer Kallarakkal)に妨害されていた。そこでバイラティに相談に来たわけであった。バイラティはもう一度労働者から組合結成に必要な署名を集めよとアドバイスする。しかし、やはりガッタによって妨害される。今度はバイラティは法的に警察にガッタを逮捕させ、ワラダに労働組合を結成させる。
 だが、パランデの指示で労働者たちの家屋が根こそぎ破壊され、土地が奪われる。ここで労働組合側は製鉄会社に対して裁判を起こすが、会社側の陰謀で組合側が不利に進む。だがバイラティが会社側の証人の嘘を暴いた結果、組合側が勝訴し、土地が戻ることになる。だが、裁判の結審は翌日だった。ガッタは夜のうちに裁判の原告として名を連ねている労働者たちを皆殺しにし、翌日の裁判では原告側から一人も出廷しなかっため、結局会社側が勝訴する。
 ここにおいてバイラティ・ラナガルは法の枠内で村人(労働者)を救うのは不可能だと考え、ガッタと手下を皆殺しにし、力づくで土地を取り戻し、ラナガルの帝国を宣言する。バイラティにはワラダの他、シャバリ(Babu Hirannaiah)やシンガ(Madhu Guruswamy)らが付き従う。
 バイラティは労働者たちと鉄鉱石採掘・製鉄ビジネスを開始し、パランデを脅かす。パランデ側はあの手この手で妨害工作を図るが、バイラティはことごとくそれを跳ね返す。さらにバイラティは病院も設立し、妹ヴェーダワティの夫ジャイパールに出資して製薬会社を始めさせる。パランデの腹心カンドレが罠を張り、殺人事件をでっち上げて警察にバイラティを逮捕させようとする。だが、バイラティは警察署を焼き払い、さらにカンドレをも殺害する。
 しかし、バイラティの側に裏切り者が現れる。また、女医ヴァイシャーリも違法行為を繰り返すバイラティを批判し始める。さらに、パランデが大物政治家ラグヴィール・バンダーリ(Devaraj)と手を結んでバイラティを排撃しようとしたため、二人の対立は州レベルでの政争へと発展する、、。

《 コメント 》
・2017年公開の【Mufti】のパート2だが、本作は後日譚ではなく前日譚に当たる。【Mufti】ではバイラティ・ラナガルが警察に自首することころでドラマが終わっているが、本作ではまさにその場面から始まり、一気に1985年、バイラティが少年だった頃まで時代が遡る。本作で闇の帝王バイラティ・ラナガルがいかにして誕生したかがつぶさに語られる。

・続編が前日譚というのは「カンナダ映画では初」との前情報があったが、本当かどうか、私には検証できない。ただ、一つ言えるのは、前後二つの話が割とうまく接合されていて、例えば、バイラティの妹ヴェーダワティ(Chaya Singh)と夫ジャイパールのエピソードなどを見ると、初めから前日譚を製作することが構想されていたのかなとも思える。そうだとすると、ナルタン監督というのは、なかなかやるな。

・前回紹介した【Bagheera】に引き続き、今回もシンプルで分かりやすいカンナダ・アクション映画だった。両作品とも超越的正義を体現したヒーローが悪を殲滅していく物語で、【Bagheera】では主人公が警察というシステムを逸脱するのに対し、本作では法律家(弁護士)のバイラティが法の限界を悟って闇の帝王になるというもの。どちらも好き放題やっており、その点、先日紹介したタミル映画【Vettaiyan】の冷静さとは真逆になる。

・両作品の違いはと言えば、【Bagheera】ではドクター・スーリ監督(あるいは、プラシャーント・ニール)はヒーローのバギーラ(ヴェーダント)を明確に神として定立しようとしているのに対し、本作のバイラティはかなり人間くさい。ただし、バイラティもはっきりと『ラーマーヤナ』のラーヴァナに比定される人物として描かれている。両作品ともヒーローのイメージカラーは黒で、この辺はタミル映画【Kaala】(18)を想起させる。【Kaala】の鑑賞記でも触れたが、インド映画にしばしば登場する「黒い正義」というのは興味深い。

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・インドでは映画の中でも実社会でも「目のは目を」ということがよく言われるが、本作も(ついでに、【Bagheera】も)「目には目を」が使われていた。一番面白かったのは、バイラティを殺人犯にでっち上げ、その目撃者だと称した人物の目をバイラティが抉り取るところ。

・そのでっち上げ殺人事件のシーンで、バイラティが警察署でFIR(被害届)にEを足してFIREにし、警察署に火をつけるのも面白いアイデアだった。

・舞台が製鉄所ということもあり、クライマックスが鉄ものの痛いアクションだった。

・シヴァ・ラージクマールがもう堂々と、確信犯的に暴力、殺人を繰り返すところは、まるでアカンダか大魔神かだった。

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・悪役パランデを演じたラーフル・ボースは、芝居的には何も難しいことはしていないが、雰囲気は良かった。この人は左利きだが、本作でも左利きで演技をしていた。

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・ヴィシャーリ役のルクミニ・ヴァサントは、役回りのせいもあり、全く冴えていなかった。ヒロインというより、「常識人の目」の役割を担っていたので、それも仕方ないか。撮られ方もあまりきれいじゃなく、鼻が大きく見えた。ちなみに、【Bagheera】に続き、医者の役だった。

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・ヴェーダワティ役のチャーヤー・シンは、7年前に作られた映画の前日譚の役を7年後に演じるという、かなりきついもので、さすがに容姿的には、、、というのはあったが、しっかり演じていた。21年の時を経て出所した兄バイラティに21年分のラーキーを巻くシーンがいじらしかった。

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・パランデの腹心カンドレ役のアヴィナーシュは、メイクで頭部を増量しているのか、奇怪な風貌で良かった。最期も良かった。

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・シンガ役のマドゥ・グルスワーミ(【Mufti】にも出演していた)がカッコよかった。

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《 オマケのひと言 》
・回想シーンで【Mufti】の主要登場人物が映し出されたが、カーシ役のヴァシシュタ・N・シンハは本当に0.2秒ほど見えただけだった。ガーナー役のシュリームラリもちらっと出てきただけだが、それがやたらカッコよかった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 11月16日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Sirsi Circle),10:00のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
・英語字幕 : あり

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/Bhairathi_Ranagal
https://www.imdb.com/title/tt15056920/

 

この記事へのコメント

  • メタ坊

    リシャブ・シェッティが『カンタラ』のヒットを受けて続編じゃなくて前編を作ってるという話を聞いて「こいつオツム大丈夫か」と思ってたのですが、なるほどカンナダではこんなトレンドがあったのですね。
    2024年11月27日 12:40
  • 川縁長者

    >メタ坊さん

    トレンドかどうかはちょっと分かりませんが、たまたま2つ続きました。
    リシャブ・シェッティのオツムはあやしいと思います。
     
    2024年11月27日 13:41