【Tholi Prema】 (1998/2025 : Telugu)

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【Tholi Prema】 (1998/2025 : Telugu)
題名の意味 : 初恋
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス
公 開 日 : 6月13日(金)
上映時間 : 2時間26分

監督 : A. Karunakaran
音楽 : Deva
撮影 : Y. Maheedhar
出演 : Pawan Kalyan, Keerthi Reddy, Vasuki Anand, Nagesh, Ali, Venu Madhav, Narra Venkateswara Rao, Sangeetha, P.J. Sarma, Ravi Babu, 他

《 プロット 》
 バール(Pawan Kalyan)はウーティの大学に所属する学生だが、勉学などどこ吹く風で、ハイダラーバードの実家に暮らし、友人のダム(Ali)やアーノルド(Venu Madhav)らと遊びまわっていた。彼は秀でたクリケット選手であったが、それにも力を入れていないようだった。父のヴィシュワナータン(Narra Venkateswara Rao)はそんなバールにいつも厳しく接していたが、母(Sangeetha)と伯父(Nagesh)はバールを理解し、特に独身の伯父は彼を我が子のように可愛がっていた。また、バールにはムンバイで暮らす兄と、医学を学ぶ妹のプリヤ(Vasuki Anand)がいた。
 ディーパーワリの夜、父に叱られ、外を彷徨するバールは、子供たちと花火をして遊ぶ美しい女性(Keerthi Reddy)を目撃し、強く惹かれる。しかし、声をかけるチャンスもなかった。バールはその後何度かその女性を目撃するが、すれ違いばかりだった。その女性のほうも、ある日、バールがスクーターから落ちそうになっている少女を救うのを目撃し、いたく感銘を受ける。その女性は自分が感銘を受けた人物からサインをもらうことにしていたが、バイクで去るバールからはサインをもらい損ねる。バールは友人たちや妹に名前も知らない女性を強く恋していることを打ち明ける。
 バールは学業のためにウーティの大学に戻ることにする。しかし、山道で自分の乗った車が故障し、立ち往生する。そこへたまたま1台の車が通りかかるが、それは例の憧れの女性を乗せた車だった。その女性はアヌという名前で、ウーティにいるおじに会いに行く途中だった。バールのことを覚えていたアヌは彼を自分の車に乗せる。ところが、トラックと衝突しそうになり、車は崖から転落する。バールは何とかアヌを助けるが、自分は崖下に落ちてしまう。
 バールは通りがかりのトラックの運転手に救われ、近所の病院に入院した後、実家に戻る。アヌのほうは執念でバールを特定し、祖父(P.J. Sarma)と共にバールの家にやって来る。二人は再会を果たし、いろいろと話す。アヌはアメリカ在住だったが、最近インドに帰国したばかりだった。両親は4年前に飛行機事故で亡くなったとのことだった。妹のプリヤはバールに、いきなり愛の告白はせず、まず友達から始めよとアドバイスする。
 アヌは若いながら恋愛には興味がなく、将来はアインシュタインのような学者になって、ノーベル賞を取りたいと考えていた。しかし彼女はバールに、アメリカにシュリーラームというベストフレンドがいると告げる。そしてある日、アヌの家にそのシュリーラームがやって来ていた。バールはてっきりアヌとシュリーラームの結婚が決まったと思い、意気消沈する。
 プリヤの縁談がまとまる。しかしバールは、プリヤの相手が全然彼女の好みのタイプでないことに知り、両親が無理やり押し付けたものだと勘違いして、この縁談に反対する。しかしプリヤはバールに、あの男性は自分の大学の先輩で、3年前から自分のことを愛してくれていた。バールが片想いに苦しんでいる姿を見て、その男性にも同じ苦しみを味わわせたくないと思い、彼の愛を受け入れることにしたと語る。
 意気消沈していたバールは兄を頼って、働くためにムンバイに行くことにする。それをプリヤから聞いたアヌはバールに会う。その際にバールは、シュリーラームの結婚相手がアヌではないと聞かされ、ムンバイ行きを即座に取りやめる。
 バールはアヌの誕生日に血で書いたラブレターを彼女に渡す。しかし彼女はそれを見て、バカなことをするなと憤り、その手紙を破り捨てる。逆に彼女はバールに「目標を持つべきだ」と言って、クリケットのバットをプレゼントする。しかしそのバットも、バールと確執のあった不良のジーワ(Ravi Babu)にへし折られてしまう。
 そうこうしているうちに、アヌがハーバード大学に入学することが決まる。また、プリヤも結婚式の日を迎える。結婚式場でプリヤはバールにアヌに告白するように促すが、バールは「アヌにとって俺はただの良い友達さ」と言って、プリヤのアドバイスを退ける。そして彼女に、アヌに真実を話さないようにと約束させる。
 やがてアヌがアメリカに旅立つ日となり、バールはアヌを空港まで見送りに行くことにする、、。

《 コメント 》
・まさか2週続けてリバイバル公開の旧作を観ることになろうとは思わなかった。この【Tholi Prema】は言わずと知れたテルグ映画のカルトクラシックで、パワン・カリヤーンの初期の代表作の1つ。初公開が1998年7月で、私がベンガルールに来たのがその年の8月なので、きっとムービーランドかパッラヴィ劇場あたりでその頃もまだ上映中だったに違いない。もちろん、当時はテルグ映画を観るというアイデアはなかったし、パワン・カリヤーンのことも知らなかった。

・その後DVDでは鑑賞したが、それも15年ぐらい前の話。当時は面白く鑑賞した記憶があるが、今、改めて観ると、やっぱり古いなぁと思った。実はこの作品、1年ぐらいロングランしたらしいし、映画賞も国家映画賞(Best Telugu Feature Film)やナンディ映画賞(Best Feature Film、他5部門)を獲得しているほどの名作なのだが、どうもそれが信じがたい。カルナーカラン監督の作品でも、やっぱり後の【Ullasamga Utsahamga】(08)や【Darling】(10)のほうが面白い。ただ、ベンガルールとはぴったり同じではないが、私がインドに来た当時の空気感が感じられて、すごく懐かしい。

・ところで、テルグ映画といえば今ではアクション映画というイメージが強いが、昔は恋愛映画でもけっこう秀作を連発していたのを思い出した。さすがに2000年より古い映画はほとんど知らないが、私が映画館またはDVDで鑑賞した作品を思い出してみると、2000年に【Nuvve Kavali】、2001年に【Nuvvu Nenu】【Manasantha Nuvve】【Nuvvu Naaku Nachav】、2002年に【Santosham】【Manmadhudu】などがある。スターで言えば、ナーガールジュナやウェンカテーシュ、ジャガパティ・バーブ、ウダイ・キラン、そしてパワン・カリヤーンなどがカッコつけまくっていた時代だ。いずれも美しいロマンスの名作なのであるが、テルグ映画はいつから血みどろ・暴力になったのだろう? そんなトレンドの中でカルナーカラン監督の資質は貴重だと思うのだが、最近は活発でないのが残念だ。

・上で「やっぱり古いなぁ」と書いたが、それは大雑把な映像とか、連発するご都合主義とか、今ならどうかと思われるようなセクハラやルッキズムの無頓着な扱いとかに限ってであって、質感として本作の持つ瑞々しさは今も強く感じられる。それはきっと題名の「Tholi Prema」が示唆するとおり、本作は「初恋」の持つ初々しさ、純真さを中心に展開されているからだろう。この辺はカルナーカラン監督の演出は上手い。バールがアヌに対して悶々とした感情を抱きながらも、どうにもできないもどかしさがインド映画にしてはうまく描かれている。また、プリヤが結婚式場で涙ながらにアヌに告白すべきだと訴えたにもかかわらず、バールは「愛の本当の意味は、愛されている人の幸せを願うこと」と、身を引く決意を語るシーンは落涙もの。

・インド映画も大昔から愛や恋を扱っていたのはもちろんだが、ヤングスターがため口で恋愛について語るとか、片想いの切なさを比較的リアルに描くとか、一段ヤング層にターゲットを絞るようになったのはいつ頃からか? 思い浮かぶのは、タミル映画だと【Alai Payuthey】(00)や【Boys】(03)、【Autograph】(04)など、カンナダ映画なら【Excuse Me】(03)や【Mungaru Male】(06)など、2000年代の早い時期になるか? そうすると、1998年の本作はずいぶんと先駆的な作品だったことになる。古い、と言っては失礼になる。

・本作はハッピーエンドだが、ヒーローとヒロインの結婚とかで終わるというのではなく、二人の愛はペンディング、みたいなところで終わっている。これも本作のさらっとした爽やかさの理由かなと。最近の映画だと、マラヤーラム映画(しかし舞台はハイダラーバード)の【Premalu】(24)が似たようなエンディングだが、もしや意識したか?

・そして、上に書いた初恋の瑞々しさといったものの大半は、パワン・カリヤーンの魅力に負うところが大きい。デビューしてまだ間もなく、当時、26歳だったと思われるが、すごく可愛い。特にすごいパフォーマンスをしているわけではないが、ナチュラルな魅力だけで十分魅せている。時分の花とは恐ろしいものだ。

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 私的には、【Tholi Prema】のPKといえばこちらを思い浮かべるが。

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・もう1人、本作の爽やかさを醸し出しているキャラクターといえば、バールの妹プリヤ役のヴァースキ・アーナンドだろう。これでナンディ映画賞の最優秀助演女優賞を獲得している。(バールとの続柄は妹じゃなく、従妹かもしれない。)

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・対して、ヒロイン、アヌ役のキールティ・レッディは、すごくきれいに撮ってもらっていて、彼女にとっても代表作となっているが、キャラクターが清純すぎて、面白みに欠けると思った(そういう聖女のような人物を見せたかったのだろうが)。それに、吹き替えが良くないと思った(おそらく、キールティ・レッディのセルフダビングではないと思われる)。当時は人気があったようで、カンナダ映画の【Super Star】(02)にも出演し、ベンガルールでもよく知られていた。

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・もう1人言及すべきは、バールの伯父さん役のナーゲーシュ。人生のしがらみを断ち切り、飄々と生きる、ブラフマーチャーリヤの鑑みたいなキャラクターが良い。

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・コメディアンはいろいろ出ていたが、アリーは今とあんまり変わらないように見えた。懐かしいのはヴェーヌ・マーダヴだが、当時まだ20代のはずなのに、すでにオッサンくさく見えた。このお方が早死にしたときはショックだったが(2019年9月25日没、享年49歳)。

・あと、ラヴィ・バーブがほぼチョイ役で出ていて、驚いた。これは何、駆け出しの頃はこんな仕事をしていた?
 (写真下: 濃ゆいが、なかなか男前だぞ。)

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《 オマケのひと言 》
・プリヤが好みのタイプとして挙げていたのが「アッバース、ジャッキー・チェン、ランボー、シャールク・カーン」だったので、笑ってしまった。いや、笑ったのはアッバースのところだけだが。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 6月14日(土),公開第1週目
・映画館 : Prasanna (Magadi Road),10:30のショー
・満席率 : 1割以下
・場内沸き度 : ☆☆☆☆☆
・英語字幕 : なし

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/Tholi_Prema_(1998_film)
https://www.imdb.com/title/tt0248547/

 

この記事へのコメント

  • メタ坊

    アッバースと聞いて笑える人が今の日本に何人いるでしょうか?
    2025年06月25日 23:10
  • 川縁長者

    >メタ坊さん
    >
    >アッバースと聞いて笑える人が今の日本に何人いるでしょうか?

    ほんまですね(汗
    2025年06月26日 02:03
  • メタ坊

    デブで体の動きや台詞回しも鈍重で、ただ色白なだけで若い娘のアイドルだったことをいつも奇異に思ってました。
    2025年06月26日 10:03