【Thalaivan Thalaivii】 (2025 : Tamil)
題名の意味 : 大将と女将
映倫認証 : UA13+
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー/ドラマ
公 開 日 : 7月25日(金)
上映時間 : 2時間20分
監督 : Pandiraj
音楽 : Santhosh Narayanan
撮影 : M. Sukumar
出演 : Vijay Sethupathi, Nithya Menen, Saravanan, Deepa Shankar, Roshini Haripriyan, Chemban Vinod Jose, Janaki Suresh, R.K. Suresh, Yogi Babu, Kaali Venkat, Myna Nandhini, Sendrayan, Aruldoss, Vinod Sagar, Chithra Lakshmanan, Vettai Muthukumar, Kalki Raja, Vinodhini Vaidyanathan, Joohi Jayakumar, 他
《 プロット 》
マドゥライ郊外のとある町。カルッパンの寺院にアラシ(ペーララシ:Nithya Menen)とその家族がやって来る。アラシのまだ幼い娘マギルの剃髪式を行うためである。ところが、理髪師のソーマン(Sendrayan)がマギルの髪を半分剃ったところで、マギルの父親アーガーサン(アーガーサヴィーラン:Vijay Sethupathi)とその家族が乗り込んで来、剃髪を中止させて、マギルを連れ去ろうとする。父親に知らせもせず剃髪式を行うとはけしからん、というわけだった。実はアーガーサンとアラシは夫婦だが、3か月前から別居しており、アラシは裁判所に離婚の申し立てもしていた。アラシとアーガーサン、及び両家族の間で激しい罵り合いが起きる。一体、二人の間に何があったのか。
・・・
アーガーサンとアラシは見合い結婚だった。アーガーサンは家族共々シヴァガンガイの町で評判のノンベジの食堂を経営していた。アラシはMBAの学位を持つ才女だが、アーガーサンも「マスター」だということで、両家の見合いが行われるが、実はアーガーサンのマスターは「パロータ作りのマスター」ということで、実は彼は第10学年さえ修了していなかった。そこがケチの付き始めだが、食べることが好きなアラシはアーガーサンの作る料理の味に魅了され、学歴のことなどお構いなしに、アーガーサンとの結婚を決意する。
アラシの父アラサーンガム(Chemban Vinod Jose)も母アーワルナム(Janaki Suresh)もこの縁談には賛成だった。しかし、兄のポルセルワン(R.K. Suresh)だけは渋い顔する。実はアーガーサンと父のセンバイヤー(Saravanan)はその町で名うての極道で、ポルセルワンはそのことを知っていたからである。アラシの家族は途端にアーガーサンとの結婚を渋るが、アーガーサンが家に乗り込んで来る。アラシはアーガーサンに従うことに同意したため、アーガーサンは彼女を連れ帰る。実は、アラシの父アラサーンガムも兄ポルセルワンもヤクザで、人のことを言えた義理ではなかったのである。ほどなくアーガーサンとアラシは結婚する。
二人は幸せ一杯の新婚生活を送る。そんなある日、アラシの父アラサーンガムが食堂にやって来、和解の印にアラシに宝飾品を贈る。アーガーサンの家族は大歓迎する。その時、アーガーサンの父センバイヤーは調子に乗ってアラシをお勘定場に座らせる。アラサーンガムは満足して家に帰る。ところが、面白くないのはアーガーサンの母ポットゥ(Deepa Shankar)である。新たにアラシが座ることになったお勘定場は、女将である自分が座るべき場所だからである。加えて、アーガーサンの妹ラーガワルディニ(Roshini Haripriyan)も面白くない。この食堂の名前は自分の名前を取って「ラーガワルディニ食堂」だったのに、いつの間にか「ペーララシ食堂」に看板が変わっていたからである。ここで姑と小姑の嫁いびりが始まり、アラシは若女将の座から降ろされ、下働きも同然の扱いを受ける。これに耐えきれなくなり、アラシは実家に帰ってしまう。だが、その時はアーガーサンが説得し、アラシを家に連れ帰る。
その後、何度かアラシとアーガーサン、及び家族の間で問題が起き、その都度アラシは実家に帰る。しかし、ほどなく娘マギルが誕生し、両家の間に和やかな雰囲気が戻る。ところが、ここでアーガーサンに愛人疑惑が浮上し、遂にキレてしまったアラシは兄ポルセルワンに泣きつく。ポルセルワンはアーガーサンの家族に暴力を振るい、アラシと娘マギルを連れて帰る。そして裁判所に離婚の申請を行ったというわけだった。
・・・
両家族が罵り合っているところへ、ポルセルワンもやって来、一層険悪となる。さらにアーガーサンらと確執のあるヤクザや政治家もやって来、事態はてんやわんやの様相を呈する、、。
・他の登場人物 : 泥棒チッティライ(Yogi Babu),アマラシガーマニ(Kaali Venkat)とその妻(Myna Nandhini),アラギ(Joohi Jayakumar)
《 コメント 》
・ニティヤとヴィジャイ・セードゥパティが共演する映画が制作中だという情報はかなり前から把握しており、それ自体で楽しみだったが、監督がパーンディラージだと知って、さらに期待感が増した。パーンディラージと言えば、その昔、タミル・ニューウェーブのムーブメントが起きた初期に、【Pasanga】(09)で上々のデビューを果たし、同作品は国家映画賞まで取ってしまった。その後も【Vamsam】(10)や【Pasanga 2】(15)、【Kathakali】(16)など、堅実に良作を発表しているが、私は最近の作品は観ていなかった。ちなみに、ニティヤとVJSはすでに【19(1)(a)】(22)という映画で共演しているらしいが、知らなかった。
・公開されるや、Times of India誌のレビューが4つ星を付けており、さらに期待が高まり、私としたことが公開1週目に観に行ってしまった。しかし、実際には評価が分かれているようで、1つ星半のレビューもあった。残念ながら、私の感想も、面白いと言えば面白いが、4つ星が付くほどの良作だとは思えない。
・まず、良いと思った点から書くと、主要登場人物のパフォーマンスは良い。特にニティヤ(アラシ役)とヴィジャイ・セードゥパティ(アーガーサン役)は◎。
(写真下: アラシとアーガーサン。この頃はまだ蜜月だったが、、。)
・ニティヤは、彼女が若妻役をやるのは今や珍しくないが、今回は、修士号を2つも持つ才女でありながら、マドゥライ女らしく(?)気が強く、大声で叫び散らし、ビンタされるより先にビンタするという、パワフルな女性像を演じている。これは彼女にとっては新機軸だろう。声が本人の声じゃないようにも聞こえたが、楽しそうにアフレコしている動画がネット上に流れていたので、セルフダビングだと思う。
・ただ、結婚前と新婚早々のアラシは可愛らしく撮ってもらっていたが、その後は、これはきっと意図的なのだろうけど、かなりブサイクに撮られていた。ブサイクが言いすぎなら、恰幅が良すぎて、ファンとしては、ニティヤにはこういうカテゴリーの女優枠に落ち着き先を見出してもらいたくないと思った。
・ちなみに、彼女の役名は「アラシ」(女王)が本名で、「ペーララシ」(女帝)はアーガーサンが付けた愛称だったと思う。
・ヴィジャイ・セードゥパティは、ちょっとエキセントリックなところもあったが、割とありがちなマドゥライ男(?)をナチュラルに演じていた。こちらも大声で叫び散らし、決して心地よくはなかったが、見ていてしんどい役柄でもなかった。私はこういう田舎男を演じるVJSのほうが好きだ。
・家族陣では、まずアーガーサンの家族は、写真下の左より父センバイヤー役のサラヴァナン、母ポットゥ役のディーパー・シャンカル、イケずな妹ラーガワルディニ役のローシニ・ハリプリヤン。それぞれ良かったが、特に印象的だったのは焼きおにぎりみたいなお顔のディーパー・シャンカルさん。
・アラシの家族は、写真下左が父アラサーンガム役のチェンバン・ヴィノード・ジョース、右が母アーワルナム役のジャーナキ・スレーシュ。アラサーンガムはかなり重要な役回りを演じている。
・アラシの家族ではもう1人、兄ポルセルワン役のR・K・スレーシュも効いていた。
(写真下: 本作のスチルではありません。)
・もう一つ、本作を魅力あるものにしているのは、アーガーサンの食堂で出される南タミル大衆料理の数々。食欲を刺激する映画だった。
(写真下: アーガーサンとアラシが仲睦まじくコットゥ・パローターを作る図。)
・逆にマズいと思った点を挙げると、まず、うるさい! 映画全体が騒々しくて、喜劇というより「騒劇」と言ったほうが適切だ。マドゥライ辺りの人々の力強さ、威勢の良さ、血の気の多さ、喧嘩っ早さを描きたかったのだろうけど、それを2時間20分も見せられてもなぁ、というのはある。演じ手もしんどかったのではないだろうか。
・あまりに騒々しい台詞の交錯で物語が進むため、映像や音楽といった映画的要素はほぼ出る幕がなかった。これは痛い。
・脚本も良いような悪いような。カルッパンのお寺の前に有象無象が集まり、二家族の間で喧嘩となるのが現在時で、そこから細かく回想シーンが挟まれるという構成。それは混乱もなく、上手く組み立てられているのだが、似たようなシーンが繰り返されて、いまいち盛り上がらなかった。
・内容的にもどうかなぁ。アーガーサンとアラシは、いろいろあっても雨降って地固まる、みたいな感じで復縁するのだが、それも強引な持って行き方だと思った。結局は「愛しているから」で片付けられていたように見えた。
・特に、最後の泥棒チッティライ(Yogi Babu)の「あの二人(アーガーサンとアラシ)は特殊なんだ」という台詞に違和感を感じた。「特殊」としてしまうのではなく、インドあるあるな、多くの若いカップルにも当てはまるドラマという形にまとめられなかったのかな。
・何度か出てくるこの印象的な岩山は「ヤーナイマライ(Yanaimalai)」(象の山)という名らしい。マドゥライ市の中心からわずか12キロほどの所にこんな名所があるなんて知らなかった。
《 オマケのひと言 》
・ほとんどカメオ的な出演だったが、アーガーサンの従妹で、愛人疑惑をかけられるアラギを演じた別嬪さんはジュ―ヒー・ジャヤクマールさん(Insta)。注目株かもしれない。
◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆
《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 7月26日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Sirsi Circle),10:30のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
・英語字幕 : あり
《 参考ページ 》
・https://en.wikipedia.org/wiki/Thalaivan_Thalaivii
・https://www.imdb.com/title/tt32827713/
この記事へのコメント
メタ坊
川縁長者
おお、やはり「やかましくて見てられない」というコメントがありましたか。ニティヤも撮影/ダビングの途中でうんざりしてたんじゃないでしょうか。
プンスカ言いたい気持ちも分かります。映画はどう見てもリアリズムじゃないので、変にリアルさにこだわらず、美人に撮り続けるというのもありだったと思います。
メタ坊
それにテルグ語版の吹き替えSir Madamが時差式に駆動し始めたのも大きい。土曜日までの2日で14カロール稼ぎ出してるのはすごい!テルグ語圏でヴィジャイ・セトゥパティの名前なんかほとんど売れてませんから、これは全部ヒロインのブランド力でしょう。炎上事件を反省してちゃんとセルフダブさせといて賢明でしたね。