【Vrusshabha】 (2025 : Malayalam)
題名の意味 : (登場人物の名前)
映倫認証 : UA16+
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ファンタジー
公 開 日 : 12月25日(木)
上映時間 : 2時間7分
監督 : Nanda Kishore
音楽 : Sam C.S.
撮影 : Antony Samson
出演 : Mohanlal, Samarjit Lankesh, Nayan Sarika, Ragini Dwivedi, Ajay, Neha Saxena, Vinay Varma, Ramachandra Raju, Ayyappa P. Sharma, Kishore, Ali, Raghu Hondadakeri, Bhaskar BV, Jeetendra(特別出演), 他
《 プロット 》
昔々、デーワナギリという地方を中心にトリリンガ王国が栄えていた。この王国は神代にシヴァ神よりスパティカリンガを頂き、そのリンガのパワーに臣民は守られていた。国王のヴルシャバ(Mohanlal)は王であると同時に、そのリンガの守護者の役割も担っていた。
ある時、プラジャーパティ率いる勢力がスパティカリンガの奪取を目論んで王国に攻めてくる。ヴルシャバ王は妻のトリローチャナ王妃(Ragini Dwivedi)らと共に勇敢に戦い、プラジャーパティらを追い払う。だがその際に、ヴルシャバ王の放った矢が誤って村の赤子を射殺してしまう。赤子の母は激しく嘆き、憤り、ヴルシャバ王に「お前の息子がお前に障りをなすよう呪いをかけてやる」と告げる。果たしてその後トリローチャナ王妃は男児をもうけるが、セレモニーのときに事故が起き、赤子を川に落としてしまい、以来、その子は行方知れずとなってしまう。
・・・
時は下って2025年のムンバイ。アーディ・ヴァルマ(Mohanlal)は大成功を収めた実業家。愛息のテージ・ヴァルマ(Samarjit Lankesh)との二人暮らしで、訳あって妻のリーラー・デーヴィ(Ragini Dwivedi)とは別居していた。アーディは利害の対立するライバルから命を狙われることもあったが、その都度テージが守っていた。
アーディは悪夢にうなされることがあった。それは自分が昔の王であり、戦闘で苦しみ、ある女から呪いをかけられるというものだった。心配したテージは精神科医に相談に行く。その精神科医はやはり高名な精神科医アジャイ・ミシュラ(Kishore)に相談するようアドバイスする。テージは若い精神科の女医ダーミニ(Nayan Sarika)と共にアジャイ・ミシュラに会いに行く。だがアジャイ・ミシュラは輪廻転生だのカルマだのと非科学的なことを言い、さらにはバーバー・ヴァラーハ・ルドラ(Ayyappa P. Sharma)という聖人に会いに行けと告げる。テージとダーミニはバーバーに会うが、やはり輪廻転生だの前世のカルマだのと要領を得ないことを言う。この間にテージとダーミニは親しくなる。
テージは父アーディにダーミニを会わせる。その後、テージとダーミニはアーディの生まれ故郷であるデーワナギリに行くことにする。テージにとっては初めての父の故郷の訪問であった。だが、デーワナギリに到着し、ふと惹かれるままに入ったシヴァ寺院の中で、テージは幻影に襲われ、倒れて病院に運び込まれてしまう。
退院したテージはおじのプラカーシャン(Vinay Varma)の家に行くが、そこでアーディと敵対する悪漢らに襲われる。テージは遅れてやって来たアーディと共に悪漢らを蹴散らす。そこへテージの実母のリーラー・デーヴィが姿を見せる。テージは母を見るなり再び幻影に襲われ、あろうことか父アーディをナイフで刺してしまう。
テージは病院に監禁される。ダーミニはプラカーシャンに聖人バーバー・ヴァラーハ・ルドラのことを話す。彼女はアーディとリーラーをバーバーの許に連れて行く。バーバーは念力でアーディらの前世を見せる。実は、アーディは古のトリリンガ王国のヴルシャバ王の生まれ変わりで、リーラー・デーヴィは王の妻トリローチャナの生まれ変わり、そしてテージ自身は他ならぬ行方知れずになっていた王の息子ハヤグリーヴァンの生まれ変わりだということが分かる。そして前世でハヤグリーヴァンは、複雑な経緯から父ヴルシャバ王の命を奪うと誓っていたのである、、。
・他の登場人物 : ヴルシャバ王の家臣パシュパティ(Ajay),アーディの敵対者(Ramachandra Raju),旅人(Ali)
《 コメント 》
・いやぁ、久々にズッコケる映画を観た。この週末はカンナダ映画の【45】と【Mark】が公開され、どちらも観たいものの、混み混みの映画館は嫌だし、チケット代も割高だしで、避けて、ラルさんの作品なら間違いはないだろうと、わざわざこの映画を選んだのに、大失敗だった。こういうことになるなら、マラヤーラム映画の【Sarvam Maya】か、タミル映画の【Sirai】か、テルグ映画の【Champion】にしておくべきだったと、後悔先に立たず。
・ラルさんが出ている以外に、私のアンテナが動いたのは、監督がカンナダ映画界のナンダ・キショールだということと、その他、サマルジット・ランケーシュやラーギニ・ドゥイウェーディ、キショール、ラーマチャンドラ・ラージュ、アイヤッパ・P・シャルマなど、カンナダ俳優が多数出演していることだった。本作はマラヤーラム語とテルグ語のバイリンガルとして製作され、カンナダ語とヒンディー語のダビング版も作られているらしい。にもかかわらず、カンナダ映画界のタレントの比重が大きいのが気がかりだったが、失敗の原因はそれか? いや、ナンダ・キショール、全てはお前のせいだろ!
・ナンダ・キショールはそこそこ面白い映画を撮っていたが、それはあくまでもカンナダ限定のそれほどバジェットの大きくない作品だよね。それが今回のように、何の巡り合わせか知らないが、製作にビッグネームの並ぶ多言語(汎インド)映画の監督をするとなると、荷が重いような。
・物語は何百年も前の王が受けた呪いが現代に輪廻転生しても引き継がれ、その呪いを解くために苦闘しながらも、シヴァ神の恩寵によって救われるというもの。アイデアは面白い。こういう輪廻転生をテーマとした宗教ファンタジーがお馴染みのジャンルになったのは、2009年の【Arundhati】と【Magadheera】あたりからだろうか。本作もほぼ同じフォーマットで作られているのだが、なにせこの分野ではブロックバスター作品がいろいろあるので、相当面白いものを作らないことには観客は納得しないだろう。トレンドを踏んでいても必ずしもヒット作にはならないという良い例になってしまった。
・インターバル前から後半に入ってからは何とか面白く観られたが、前半は壊滅的だった。マラヤーラム映画だと思いながら観始めたが、これは完全にカンナダ映画、しかも30年前のそれ。今どきこんな脚本・台詞を書くとは驚きだった。
・どこがどう悪いか列挙するのも悪趣味なので、良かった点を挙げると、まずモーハンラールのパフォーマンスはさすがに良い。むしろ、そのパフォーマンスに見合わないような、顔が赤くなるようなセリフを言わされていて、気の毒だった。ラルさんはなぜかときどきこういう自分がアーチストだということを忘れたかのような映画に出演するね。(お付き合い?)
・その他、良い点は、、、特にないが、ラーギニさんは前世で王妃トリローチャナ、現世でリーラー・デーヴィを演じたが、前世のほうが武術の達人と設定されていて、カッコよかった。しかし現世のほうでは、実年齢よりはるかに高い母親役になっていて、わざとかどうか、老けて見えて、気の毒だった。また、アクションはなかなか様になっていたが、仮面を付けたトリローチャナ王妃が剣を振るうシーンはボディダブルだろう。
(写真下: 本作の何かのファンクションでのラーギニさん。)
・準主役のサマルジット・ランケーシュは、実はカンナダの映画とジャーナリズムの世界で知られたインドラジット・ランケーシュの息子(つまり、P・ランケーシュの孫)。【Gowri】(24)でデビューしたばかりのホープ。本作では、前世でハヤグリーヴァン、現世でテージと、どちらもラルさんのキャラクターの息子役を演じた。良かったかどうかと言うと、至らぬ点は多々あれど、一生懸命やっていて好感が持てた。6フィート超の長身でイケメンなので、期待してしまうが、俳優らしい顔になるにはまだもう少し時間がかかりそう。
(写真下: 目つきが悪く見えるのには理由がある。)
・本作の何かのファンクションに現カルナータカ州副首相のD・K・シヴァクマールも出席していて、一緒にカメラに収まるサマルジットくん。
・ヒロイン(と言えるかどうか)の精神科医ダーミニを演じたのはナヤン・サーリカーという人。初めて見た。丸顔で背も低く、全体的に丸っこい感じだが、なかなか可愛かった。
(写真下: サマルジットくんと。やはり身長差が。)
・インド映画界のレジェンド、ジーテンドラが本人役で出てきたので、驚いた(映画中では「シュリー・ジーテンドラ」と紹介されていた)。プロデューサーがショーバー・カプールとエクター・カプールなら、こういうこともあるということだろう。いや、驚いた理由は、ジーテンドラが出てきたということじゃなく、このお方がまだご存命だと知ったからであるが。
・ヴルシャバ王に呪いをかける怖いオカンを演じたのは、Wikipediaのキャスト表に出ていないので分からないが、パーワナ・ガウダではないか?
・物語の舞台、トリリンガ王国やデーワナギリと呼ばれる場所がどこかは分からない。たぶんどこという具体的な設定はしていないのだろう。これが多言語映画のつまらないところ。トリリンガ王国の時代は、ビジュアル的にかなり昔に見えたが、ムガールに言及していたので、それほど昔でもないのだろう。
・ちなみに、私が観たのはマラヤーラム語版だが、ラルさんは地声だったが、他の役者がどうだかは分からない。旅人役のテルグ俳優のアリーは吹き替えだった。
《 オマケのひと言 》
・トリリンガ王国で賑やかな祭礼が行われるシーンがあったが、何気にマンガルールのピリウェーシャ(虎ダンス)が出てきた。
◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★☆☆☆☆
《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 12月25日(木),公開第1週目
・映画館 : PVR (Superplex Forum Mall),16:10のショー
・満席率 : 2割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・英語字幕 : あり
《 参考ページ 》
・https://en.wikipedia.org/wiki/Vrusshabha
・https://www.imdb.com/title/tt27496044/
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