【45】 (Kannada)

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【45】 (2025 : Kannada)
題名の意味 : (省略)
映倫認証 : UA16+
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー/ファンタジー
公 開 日 : 2025年12月25日(木)
上映時間 : 2時間30分

監督 : Arjun Janya
音楽 : Arjun Janya
撮影 : Satya Hegde
出演 : Shiva Rajkumar, Upendra, Raj B. Shetty, Kaustubha Mani, Manasi Sudhir, Rajendran, Pramod Shetty, Jafar Sadiq, Ramesh Pandit, Sudharani(特別出演), 他

《 プロット 》
 ヴィナイ(Raj B. Shetty)は29歳、独身のソフトウェア技術者。母(Manasi Sudhir)と二人でまずまず快適な暮らしをしている。ある朝、ヴィナイは出勤のためにヘルメットをかぶらずバイクで出発する。ある交差点で信号待ちとなるが、青信号に変わるまで45秒という表示が目に入る。と、同僚から電話が入り、重要な会議が始まるから急げと急かされる。慌てた彼はバイクを走らせるが、その時、飛び出して来た大きな黒い犬をはねてしまう。どうやら犬は死んでしまったようだった。動揺してバイクを下りたヴィナイも後続のトラックにはねられてしまう、、、次の瞬間、彼は目を覚まし、近くに母がいるのにも気付く。悪夢だったのだ。しかし、彼は自分の葬式が行われている幻影も見る。これを気にしたヴィナイは、死後の世界がどういうものなのか、ネットで「ガルダ・プラーナ」の説明動画を見る。
 改めて出勤しようとしたヴィナイは、全く同じことが繰り返されるのを見る。45秒の信号待ち、飛び出して来る黒犬、、、しかし今回は用心深くトラックにはねられるのを避け、無事会社に出社する。だが、その職場に2人のヤクザがやって来、ヴィナイは街の外れの倉庫に連れて行かれる。そこではヤクザのボス、ラーヤッパ(Upendra)が待ち受けていた。ラーヤッパはヴィナイに、自分の愛する犬、母親とも見なしていたロージーを殺したと難詰し、お前を殺すと脅す。ただし、罪の償いと死への準備のために45日の猶予を与えるが、45日目に必ず殺すと告げ、解放する。ヴィナイは警察に訴え、警官と共にその倉庫のあった場所に行くが、そこには何もなかった。
 家に戻ると、またしてもラーヤッパがやって来、ヴィナイを脅す。ヴィナイは恋人のメーガナ(Kaustubha Mani)に事情を説明する。メーガナは父の友人のヤクザに助けを求めようと提案する。ヴィナイとメーガナはそのヤクザ、ムットゥ(Rajendran)に会いに行くが、ムットゥもラーヤッパから45日目に殺すと脅されており、その日がまさに45日目だった。ムットゥは無惨にもヴィナイの目の前でラーヤッパに射殺される。
 ヴィナイに残された日数は一日一日と減っていく。彼は「ガルダ・プラーナ」のビデオで見たことと似たことが自分の身の上に起きていることに気付く。ラーヤッパからの脅しは相変わらず続いていた。気付けば、あと20日になっていた。友人の勧めで、ヴィナイはアルターフ・バーイ(Pramod Shetty)というヤクザの力を借りることにするが、それもうまく行かなかった。ヴィナイは母に事情を話す。母はスブラマニヤ神に加護を祈願する。そんな時に、ヴィナイはシヴァンナ(Shiva Rajkumar)という初老の男性に出会う。シヴァンナは「カストゥーリ・ニワーサ」という平和な町を維持管理している慈善家だった。表向きは飄々としたおじさんだが、しかしあの手この手でヴィナイを守護する。そうしているうちに、運命の45日目がやってくる、、。

・他の登場人物 : バッチャン(Jafar Sadiq),食堂の女将(Sudharani)

《 コメント 》
・まだ去年のクリスマス公開の作品ですよ笑

・サンダルウッドの人気音楽監督アルジュン・ジャニヤの初監督作品で、シヴァ・ラージクマール、ウペンドラ、ラージ・B・シェッティが共演しているとあって、たいそう話題となっていたが、公開後の評価はぼちぼちといった感じ。どうもヒットゾーンに入ってきそうにない。トレイラーを見たら、凄いと言うよりトンデモ映画の様相を呈しており、パスしようかとも思ったが、結局はシヴァンナの女装(下)という怖いもの見たさが勝ってしまった。

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・しかし、観てよかった。これ、面白いよ。いや、あくまでも私の感性で面白いというだけであって、カンナダワクチン(?)を打っていない人にはお勧めしにくいものも感じる。この映画を私なりのひと言で表すと、「天晴れカンナダ大混乱映画」!

・テーマ自体はインド哲学的で、深い。死の危機に直面した人物の命運を通して、生と死、死後の世界、ひいては罪と罰などを省察させようとする内容で、それが娯楽映画の領域を超えたマジなアプローチで描かれ、にもかかわらず奇妙奇天烈で難解な語り口を取り、最後には堂々と説教(!)が付くという、トレイラーから予想される以上に本編はトンデモ映画だった。この難解さ、理屈っぽさ、悪ふざけ、説教くささから、ぬぬぬ、これは監督のアルジュン・ジャニヤは実はパペットで、真の監督は【UI】(24)がコケてしまったウペンドラなのではないか、と深読みしたが、そうではないようだ。

・どうやらアルジュン・ジャニヤは兄弟をコロナ禍のときに亡くし、その時にこのストーリーを思い付いたらしい(こちら)。なので、本当にアルジュン・ジャニヤのアイデアなのだろう。確信はないが、こんなことで嘘は付かないものだ。ウペンドラの映画にスタイルが似ているというのも、アルジュン・ジャニヤは若い頃、ウペンドラ映画のファンだったということから説明できる。(ちなみに、俳優ではシヴァ・ラージクマールのファンだったそうだ。)

・その死の観念として、本作では『ガルダ・プラーナ』が使われている。もちろん私は読んでいないので全く分からないが、Wikipediaの記事によると、同プラーナで死後の世界が謳われているのは「Pretakhanda」という章らしい。映画の中では、人が死ぬとその魂はヤマ・ダルマラージャの使者によって引きずり出され、45日間さまよい、様々な試練に遭うと語られていた。本当に『ガルダ・プラーナ』にそのとおりの記述があるかどうかは知らないが、この45日から本作の題名が付けられたようだ(本作ではさらに45秒とか45分とかキーボードの4と5とか、45にこだわっていた)。ちょっと台詞をつかみ損ねたので、プラーナで言われる45日、またはヴィナイ(Raj B. Shetty)がラーヤッパ(Upendra)に与えられた猶予期間の45日が何を意味するのかよく分からなかった。

・本作がボックスオフィス的に苦戦している理由は、やはり難解だからだろう、これはスーパーヒット作の【Kantara】シリーズと比較すればよく分かる。【Kantara】はいかにもシンプルで分かりやすい。本作も【Kantara】も変則的なデヴォーショナル映画になると思うが、こういう宗教的センチメントが主題の映画が大衆にアピールするためには、分かりやすいということが第一だろう。それに、【Kantara】の「ウォー、ウォー」みたいに、キャッチーな要素もあったらよかったと思う。

・それも私は、その分かりにくさをすっ飛ばして楽しめた。特にクライマックスは、今思えば全然ロジックが通ってないと思われるが、神々しいやらアホらしいやらで、思わずひれ伏しそうになった。

・映像はさすがサティヤ・ヘグデの担当で、良いのだが、全編の40パーセントがVFXらしい。それも有名なカナダのスタジオに任せたらしく、カンナダ映画にしてはクオリティーが高い。しかし、アルジュン・ジャニヤ監督は時間の都合で品質に妥協した部分もあると言い、残念がっている(上でリンク付けしたOTTplayの記事による)。私に言わせれば、本作の不振はそこじゃないだろと思うのだが。

・アルジュン・ジャニヤがファンだったと言うとおり、本作はシヴァ・ラージクマールの持ち上げ映画でもあった。出番はインタバール直前からであるが、後半、特に終盤は面白いように遊んでいた。役名もシヴァンナで、平素はこういう普通のオジサンなのだが、、、

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 その実、神の11体のアバターとなる!(こんなカッコいいシーン、あったかな?)

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・私が観た劇場にはシヴァンナのテンプルまで建っていた!

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・ラーヤッパ役のウペンドラも好き放題やっている感じだった。久々にカッコイイと思った。シヴァンナの上の写真のせいで、シヴァンナがどの神を象徴しているかバレてしまったように、ラーヤッパがどの神の象徴かもヒンドゥー神話をかじった人ならすぐ思い付くだろう。
 (写真下: 右のハゲ頭はタミル映画界からお越しのラージェンドランさん。)

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・こちらが「母」とも呼んでいたラーヤッパの愛犬ロージー。

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・ストーリー的には、実はラージ・B・シェッティ演じるヴィナイが主人公になるはず。アクの強い大先輩2人と並んでも引けを取らなかったところがすごい。やはりこの人は天才だ。
 (写真下: 何かと痛い役であった。)

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・ヒロインというほど重要な役でもなかったが、紅一点(いや、ヴィナイのお母さんも紅だけどさ)、メーガナ役はカウストゥバ・マニという人。テレビドラマで活躍している人のようだ。すでに結婚して子供もおり、インスタグラムに幸せ一杯な家族の写真を多数アップしている(こちら)。

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【Vikram】(22)や【Jailer】(23)に出ていた背の低い俳優、ジャファル・サーディクがラーヤッパの手下役で出演していた。役名は皮肉にも「バッチャン」だった。

《 オマケのひと言 》
・古い映画からの引用はいくつかあったが、【Om】(95)や【Garuda Gamana Vrishabha Vahana】(21)など、主役3人の代表作がうまく使われていた。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 2026年1月17日(土),公開第4週目
・映画館 : PVR (Superplex Forum Mall),12:25のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・英語字幕 : あり

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/45_(2025_film)
https://www.imdb.com/title/tt27263807/

 

この記事へのコメント

  • イセエビ

    あ、これ面白そうですが、見られそうにないかも。
    2026年01月24日 16:41
  • 川縁長者

    >イセエビさん
    配信はZEE5ですけど、これ、日本では視聴できないのかな? Xで、いかにも日本人と思える方が、日本語で面白かったとポストしていたので、てっきり見れるものだと思ってました。
    2026年01月29日 01:55
  • イセエビ

    いやいや、NRI用?の映画サイトEinthusan に上がってきたので、見られることが確実になって、ウレシイです。♪
    先日、「プシュパ」を近隣の映画館のポスターを見たので、カタカナでその映画のタイトル見ると逆に衝撃でした。、へっ?と若干驚きました。個人的にKGFより好きなので。
    2026年01月29日 07:46